決勝結果

モントーヤが今季初優勝! 琢磨にアクシデント・・・


どんよりとしたブリティッシュウエザーに別れを告げたシルバーストーン・サーキットで、2005年F1世界選手権第11戦イギリスGPの決勝レースが幕を開けた。

今日の現地は土曜日までの曇天から一転、朝から快晴に恵まれ、午後になると気温が上昇。防寒対策に追われていた観客たちも、いっせいに半袖姿に一変している。また、主催者側の発表によると、シルバーストーン・サーキットは昨日までに6万5,000人の観客動員を記録。レース本番の今日も10万人収容のスタンドは超満員で、とりわけ地元ドライバーのジェンソン・バトンB・A・R Honda)がフロントローからポールポジションフェルナンド・アロンソルノー)に挑むとあって、ファンの盛り上がりに拍車がかかっている。

その一方でレース開始13分前、グランプリ開幕前日にロンドン市内で起きた同時多発爆弾テロの犠牲者を悼み、1分間の黙とうが捧げられた。

スタート時のコンディションは気温27℃、路面温度45℃、湿度44%の完全ドライ。予想を上回る暑さの中、全長5.141kmの高速コースを60周で争う伝統の一戦が火蓋を切るが、フォーメーションラップでアクシデントが発生。7番グリッドにつくはずの佐藤琢磨B・A・R Honda)がホームストレートの入口付近で突然、ストップし、グリッドにつくことができない。

この間にレースはスタート。3番グリッドのファン-パブロ・モントーヤマクラーレン)がトップに浮上し、ポールポジションアロンソは2番手、バトンが3番手に後退する。4番手以降はルーベンス・バリチェロフェラーリ)、ジャンカルロ・フィジケラルノー)、ヤルノ・トゥルーリトヨタ)、ミハエル・シューマッハフェラーリ)、キミ・ライコネンマクラーレン)、ラルフ・シューマッハトヨタ)、ジャック・ビルヌーブザウバー)といった顔ぶれがトップ10。琢磨のマシンはマーシャルに押されてピットレーンに入り、さらにB・A・R Hondaのメカニックたちに押されて、ようやくピットに戻った。

波乱の様相で幕を開けたレースは2周目にセーフティカーが導入され、次の周回で再開。琢磨も最後尾で戦線復帰を果たす。初日のフリー走行では電気系にトラブルを抱えた琢磨だが、その影響だろうか? はたまた別のトラブルだろうか? いずれにしても16周目にはトップのモントーヤに周回遅れにされてしまった。

一方、3位走行中のバトンは20周目に1回目のピットストップを行い、6番手でコースに復帰。また、22周目にはモントーヤが、23周目にはアロンソがピット作業を済ませるが、アロンソのコース復帰の際、後ろから来たモントーヤと一触即発。わずかの差でモントーヤが前に出た。さらに24周目からは立て続けにシューマッハフィジケラライコネンら上位陣がピット作業を終えると、順位はトップにモントーヤ、2番手アロンソ、3番手フィジケラ、これにバトン、バリチェロライコネンシューマッハトゥルーリが入賞圏内に続く。

32周目にはバリチェロ、33周目には琢磨が1回限りのピットストップに向かった。コース復帰後の琢磨の順位は19番手だ。



モントーヤは盤石の走りでうれしい今季初優勝!


トップ集団では5番手走行中のライコネンがファステストラップを連発して、前のバトンを射程圏内に捕らえながらも、45周目にピットイン。しかし、コース復帰時にはバトンの前に出た。さらにライコネンは、46周目にピット作業を行ったフィジケラが発進時にエンジンストールでタイムロスしたことから、3 番手に浮上。思いがけない形でポジションアップを果たした。

その前方ではモントーヤアロンソのトップ争いが白熱する。しかし、49周目にピットストップに向かったアロンソは、4.9秒と素早い給油作業にもかかわらず、モントーヤの前に出ることはできない。

残り周回は10周。アロンソモントーヤの背中を必死に追いかけるが、盤石のモントーヤには及ばず。モントーヤはシーズン11戦目にして今季初勝利を挙げた。ちなみに、モントーヤの優勝は昨年の最終戦ブラジルGP以来と実に久々。 2位にはアロンソ、3位には12番グリッドから鬼神の追い上げを見せたライコネンが入り、それぞれ表彰台を獲得している。

4位には惜しくも表彰台を逃したフィジケラ、5位にはフロントロースタートを活かせなかったB・A・R Hondaのバトン、6、7位にはシューマッハバリチェロフェラーリ勢が入り、辛くも5ポイントをチームにもたらした。8位にはラルフがつけ、トヨタに1ポイントを加算。チームメイトのトゥルーリは9位フィニッシュとポイントには届かなかった。

また、不運に見舞われた琢磨は最後までレースをあきらめず、16位完走を果たしている。

F1-Live.comより